(遡り)2023年3月単発 ◎「生理のおじさんとその娘」

攻めるNHK、良!!問題提起あり笑いあり、かつ泣けた。原田泰造、上坂樹里。橋本万葉さん脚本。令和の時代、そして女性にしか書けない脚本だと思った。


女性をけがれているものとみるなどして生理についてはタブー、公に会話しない風潮で社会が構築されてきた。女性もそれを不思議にも思わずにその責を黙って負って生きてきたこと、社会がそうなっていたこと。そこに着目して、そもそも生理がない人達の知識不足と偏見、無理解を正すための土壌すらないことを直視、そこで終わらず、男性目線で原田泰造に屈託なく当然のごとく生理というものを語らせ、ある種コミカルも混ぜながら前向きに描き切る。


長く生きてみるもんだと思う。世の中は変わる。女性がこんなにも社会で活躍しているのに、女性の1ヶ月の四分の一は生理で不自由があり、体温やホルモンバランスも一カ月を通じて変動する。常に女性のうちの何人かは生理の負担に苦しんでいる。生理の負担は個人差もあり、負担は単純に痛いとかプールに入れないとかだけではない。その分、子供を産むという奇跡の大偉業を成し遂げることができる人もいる。ただ、そのこと自体も命がけのリスクがある。


それでも、生理用品メーカーの尽力も大きいが、日本の大人の女性たちは現代概ね業務に影響させずして成果を上げることができているのだから、男女の役割の境があいまいになり、性別そのものが2分論でもなくなっていく今こそ、これを議論するための正しい時機。生理があるひとと生理がないひと。違いについて。それ以外の違いも含め、多様性。