(遡り)2021年秋 〇「アバランチ」

警察アクションもの。常識外れのアウトロー集団、アバランチ。綾野剛が、日本版CIAを作ろうとそのためなら悪もいとわない警察内の闇と戦う。味方で司令塔に木村佳乃。大きな敵、彼らがつぎつぎと仕掛けてくる罠とどう戦うか。規格外、正義、勇気、仲間。渡部篤郎がこわい役を快演。HEROの「あるよ」で有名な田中要次さんが命をかけるシーンもかなり印象的で熱い。綾野剛はMIUといい、こういう正義アクションものにうまく合う。続編もありえるような余韻を残した終わり方も、お楽しみ券をくれたみたいで良。

やりたい放題やっておいて、悪を暴こうとする者たちをテロリストに仕立てようとする強大になりすぎた暴走権力は、現在の世の中と似た構図。メッセージがこめられた作品。

「アバランチとは?」「私たちと同じ、この国に住む名もなき人間たちです」「長いこと、わたしたちは行動することを忘れていたんだと思います。自分が動いても何にも変わらないって」「ささいな日常を守りたい、そう願うひとたちが行動を起こした結果がアバランチだったんだと思います」「たった1度だけ角度を変える勇気をもてば、きっと小さな動きがやがて大きな流れとなるはず」「行動することで救われる誰かがいるってこともわかった」