最終回完了 個人的好み判定 ◎「うきわ – 友達以上、不倫未満 – 不倫まで壁1枚ラブストーリー」真面目丁寧にスポットライトをあてた不倫未満が切なくも理解出来る良作

このドラマが始まったとき、「不倫が題材だが人が陥ってしまう弱さとしての面から真面目に描くならアリかもしれない」と書いた。最後まで見て、裏切られることはなかった。切なくも理解出来る2人の選択、考え、苦しみ、決めていく過程が丁寧に描かれ、そして結末も良かったと思います。良作!

麻衣子さんこと門脇麦&二葉さんこと森山直太朗。物静かで我慢強そうなふたりには、それぞれ、まぶしくそれなりに自由にいきてるように見える伴侶がいます。不倫されてることに気づきながら、輝かしい思い出となってしまった幸せ時代がときに記憶をよぎりつつ、ただただ耐える悲しい低空飛行の日々。毎日のルーティン会話、ご飯、ごみ捨てがつづく。

社宅のベランダでさびしく帰りを待つ二人の間に生まれる、共感か同情か愛情かただの悲しさの共有か、まさに当人にもなにかわからないもの。それに気づきつつ、怒りを押し殺しギクシャクした夫婦生活を続けなきゃならない毎日のなか、感情振れ幅をおさえたまま低空飛行がつづいていきます。が、あるところから、さすが門脇麦さんらしい内に秘めた激しさで物語は展開し、苦しみ、結末をむかえます。

社宅のベランダ、隣との間の緊急時突き破ると書いてあるあのボードが、メインの舞台セットといっていい、斬新な、どこか冷めた空気感が独特です。

題名にもなっている浮き輪が、青い海に投げ込まれる黄色い浮き輪の映像が、とても印象的で重要な役割を果たします。たぶん、浮気された、され妻、され夫にしかわからない感覚があるかもしれません。世界は平和で晴れているのに、自分はたったひとり放り出され孤独、誰も信じられなくなりおそろしく息すら自然にできなくなる、でもつづいていく毎日の生活、待つ時間。たったひとつの裏切りを知ってしまった瞬間に、見ていた世界が、そこにあったはずの暖かい温度が、明るい未来が、自分の性格が、180度変わってしまう。

どこからでも真っ青な青空の下の空気のない海中に転落する可能性がある、そんな危うさを描き出し、転落したその場所からどうやって浮上するかのモガキを丁寧にゆっくり体感させることに成功。つづいていく生活のなかで、何かに逃げなければやってられないときもあり、でも自分を見つめふりかえる瞬間もあり。自分がされて嫌なことや自分の美学や哲学でゆるせないことについての葛藤もあり。黄色い浮き輪が象徴するものが、ふたりにとって必要だったそんな日々。それはそれでかけがえのない時間になる、というか、した、というか。ふたりとも偉いよ~

何がハッピーエンドかは人それぞれですが、凸凹が避けられないのが人生なら、頭切りかえて塞翁が馬とできたもの勝ちかな。自力で泳ぎきってまた青空を見られる日を夢見て。生きるということ自体の重くて細い道。色んな人が見ることをちゃんと想定して作られたうまい作品だと思います。テレ東やるね!

※安藤裕子「ReadyReady」は苦しさを、三浦透子「通過点」もドラマの世界観全体をサポート。「すぎてみればただの通過点 ほんの数分で終わる笑い話にしよう」

最終回完了 個人的好み判定 △「来世ではちゃんとします2」アケスケ性生活コメディの形で、多様性肯定しながら令和の人間達のリアリティを描く

こちらも振り切れ系。つくづくこういう時代なんだな~。だれがみても羨ましいような1つの典型幸せモデルの御伽噺は古くなって、いまは人と違っても人からなんと思われようと自分がよければ良いの、言うならカスタマイズ幸せスタイルの自分肯定時代に突入!人の数だけ無限に選択があり、自由過去最高マックスならでは、実は逆に選択幅広すぎてお困りの方方もいそうな、そんな時代を生きている我々☆

そういうものを描いたんだろなの原作は連載中の四コマ漫画。性生活がらみコメディー。深夜だから許される、何股セフレやソープ通いの、ある意味確実に実在するリアリティ登場人物たち。嫌悪感がある視聴者もいるかもしれないが、私は色んな人間の弱さ汚さズルさを描き出す系統の文学が好きなタイプなので問題なし、むしろ興味深い。

個人的には内田理央と小関裕太という俳優さんがもつ内面性を生かした作品であるように見えて、おもしろかった!なやんでるんだけど、どこかとてつもなくアッケラカンと、弱いくせに強い不思議なひとたち。

人間を描くってこういうことなんだ、たぶん。描いてる側も、羞恥心や飾りを捨てて自らを削りながら、汚くても色んな色をザラザラ感をキャンバスに書きなぐる、その結果はすがすがしく逆にキレイにみえたりもする。昭和では地上波になかったであろうこんな作品、令和ならアリ。

エアバンド(口パク)絶叫の冒頭映像も、やっぱりイイネ♪

最終回完了 個人的好み判定 ◎「武士スタント 逢坂くん!」勇気ふるって二重丸のキワモノ

これに二重丸をつける私の勇気を買って欲しい 。タイムスリップ×春画師×漫画。だけど、原作(漫画)もドラマ化も、俳優陣の演技と本気、そして映像、すべてのまとまりがすばらしかったんだもの!

毎度おなじみ競合乱立のタイムスリップもののなかで、突き抜けた差別化に成功👏江戸から武士で春画師の逢坂が令和にタイムスリップ。ちょんまげ&上半身裸、なぜか縛られてる(が筋肉のハリがすごい(笑))のスタイルであらわれ、ピュアであつく鼻息荒く、現代人にまっすぐな質問をなげかける!こういうゲテモノ?は思い切って振り切ってやったもの勝ち👑🏆良かったです♪

濱田崇裕さん、ちょんまげ似合う。ジャニーズも変わったなぁ(笑)個人的には裸体に興味うすいんですが、画面のアツというかチカラが凄い。原作漫画の勢いを再現しようとしたものかと。でも、見入っちゃうアッシ、変態かしら。いやいや、ご覧になってみて~~

運命的に漫画家のアシスタントになるんだけど、今井隆文さん率いる漫画チームのキャラの濃ゆ緩さがたまらない♡続編もとむ!言っちゃった…(/-\*)

最終回完了 個人的好み判定 △「イタイケに恋して」万人受けしないがアリ

万人受けはしないが、コンパクトにドラマとしての最小限の要件を満たして成立させていて、よかった。

何がおこるわけでもないが、個性的な3人の若者と謎のオーナーの不思議な独特ワールド生活。ずっとつづくわけじゃなく、宙にういたような非現実ふわふわ感もうまく狙って作り出されたものだろう。

渡辺大知、菊池風磨、アイクぬわらの3人の相性が良い。石井杏奈はエキセントリックな役などで最近たくさんでてくるが普通。。。

個人的には毎話の最後の、曲がながれるなか、3人が笑いふざけながら道を歩いていくのを横から平面的に映すイメージエンディングが好き。わけがわからない、ともすればつまらない、とるにたらない、どこかの誰かの不思議話を、このイメージエンディングを流すことで何となく取りまとめ着地させていてある意味スゴい。