うぐ!これは、思った以上の難解な作品でした!初回見終わってハテナがいっぱい飛び、何やらヤバいんじゃないかと不安と期待が膨らんでましたが、第2話もハテナモード突き進みつつ魅力感じ、第3話のまさかの展開に度肝をぬかれた。変態的な構成!びっくりしたよぉ!そんなのありか?(笑)そこから精神状態の良い時を選んで最終話まで見て、感じるものはあったのだが、正直作者がこの挑戦作に詰め込んだ意図を全部汲み取れた自信がないなあ…。(脚本は「俺のスカートどこいった」「死にたい夜にかぎって」の加藤拓也さん。)
オトナがみんな稲垣吾郎と加藤ローサの顔に整形して同じ顔をしている奇妙な世界。遺伝子編集で産まれてくる子供の顔も調整できたらしい。かなり悪い冗談な設定のなか、美容整形が違法となり、その後のオリジナル無修正の顔のコドモたちの世代にスポットライトをあて、彼らの思春期を描く。背景として存在する美しいがみんな同じ顔の有り得ない不自然な人工世界と、オリジナル顔世代の主人公達の思春期のあけすけなギクシャクの自然が、ひどく強いコントラスト。
思春期特有の自己中な棘とか、子供でもオトナでもない中途半端な生臭さみたいなものが、5人の男女生徒の狭い社会の日常のなかに、ぬりたくるように描かれていて、その質感がリアルすぎてある意味で怖いほど。5人とも演技がバカうまい!特に誠也役の青木柚、微妙で矛盾する感情をみごとに表現!
見る側に、高い国語力、というか、深い読解力と考察力を要する難問。極端なダークな虚構設定をもって、見るものに考えさせる挑戦。国語の読み取り問題を解いてる気分、最近のNHKドラマらしいトンガリで、きらいじゃない。ただ難しい~
自由とは。ひとと同じということは。コンプレックスと個性とは。若さとは老いとは。外見とは。夫婦とは。だれかを好きになるとは。
大きく分けると、第1話~第3話と第4話~第8話の2つにわけることができるんだけど、問題提起の核を担う前半第3話までが変だけど結構好きかも。前半と後半はもちろんつながっているのだが、後半の結末はある意味希望がある風な展開なのだが、前半とはまた違う本質的なハテナがいっぱい飛んで、つまり、考えさせられるんだけど答えなんかすぐには出ない。答えが簡単に出るはずのない問題を目の前の皿に乗せられて、困惑したまま動けん、って感じ★
雑に言っちゃえば、表面には、個々の自由だとか違うものを受け入れるだとかがある、裏側には無意識下に存在するアジア的男女性差とか無知や純潔や若さへの盲目的崇拝や呪縛(というか世界的に見たらロリコン寄りムッツリ寄り)への嫌悪や違和感。自分の見た目は誰のため?いきづまる閉塞感から抜け出すために、輝く明日の光をもとめて、ちょっとした悪をとりこむ自由のような罪。それで何かに向き合えてる気になってるのもまだ浅く間違っていそうで、あとあと後悔するんじゃないかと、ザラザラする。「きれい」とは。