NHK特集ドラマ 「いないかもしれない」

構成からして不思議なドラマ。ややわかりにくいが、コロナ時代のあたらしい挑戦なのかな。

sns時代の、わすれたころにやってくる復讐劇、しっぺ返しの話。そうね、自分がやってしまったことは、自分が忘れても、された相手やその周りが忘れない、許さない、ということはあるでしょう。未成年だったから仕方ないということもない。自分に責任は残るんだから、よく考えて生きよ、それしかないの、教訓。

たいしたことないようにやった側は軽くおもってやってても、その判断が浅はかで不十分で未熟な可能性、相手が死ぬほど苦しみ抜け出せない可能性を孕み、神の目から見た全貌を大人になって理解したら冷や汗ということは、世の中たくさんありそうだ。そこにフォーカスした目の付け所が、怖いほどクール。

そして、神じゃないから、最後謎を残すというか、審判というか、現実にどれほどの罪だったか微妙にわからない刑というか、視聴者に任せる終わりは、ぞくっとした。それが狙いと思う。ざらっとした気分が残る、クールな問題提起作。もはやエンタメではない、かんがえさせられるが、すっきりはしない。