最終回完了 個人的好み判定 ◎ここは今から倫理です。 名作!

うん。倫理だ、たしかに。名作!!(原作は漫画。)現代版中学生日記か?ひとつの決まった正解はない、でも考えることは無駄じゃない、ひとのことだから自分には関係ないなんて考えるのは単純すぎてまだまだ浅すぎてだいぶ足りない。

考えろ!考えろ!若者よ、逃げないで考えろ!オトナになっちゃった元若者も、考えろ!倫理って科目のもつ命題達に答えはないけど、学んで血肉になるように、日々のアレコレを掘り下げるエクササイズが人間たる営み。チャンスにしろ!

考えることによってしか生は進まない。自分のなかにある答えが明日のあなただ。明日のあなたはあさってのあなたにつながっていき、それがあなたの実像になる。仲良しのフリ、偽善も楽観も妥協も無関心も逃げも攻めも、みんな違う考えも、がんばれもがんばらなくていいも、全部アリなんだ。結論?必要ですか?

最終回録画見てたら書きたいことが湧き上がってきたから、見ながら先行して上記を書きつつパスカル「人間は考える葦である」を思い出していたら、謎めいた主人公先生が今ちょうど同じ言葉を言った。ビンゴ。正しく誘導された優等生なわたし。わたしより年下の役者さんだが、久しぶりに学校の先生と対峙した錯覚、サワサワ感。このあたりはしっかりした世界観にまんまと引きづりこまれ、幸せな生徒気分。「我々の尊厳の全ては考えることのなかにある。」

わたしの母も高校教師だった。先生は身近にある正しそうな像として正論ベースの道しるべをしめし、困難な時にも光や夢をあたえるべく一生涯足元と遠く先を照らすことができるようなライトを生徒のなかに仕掛けるのがミッションで。それを未完成で多感な時期の子供たちに、言葉と温度だけで行うという、ほんとうに高度に専門的な大変な尊敬すべきお仕事だと思う。

そして、自分と違う考えを許容し理解しようとすることは、2021年のいま、まさに世界中の企業や個人にとっても最優先課題となっているテーマだ。NHKが正面から今取り扱う、しかも倫理という過去の叡智から学ぶ形で、しかも問いかけ考えさせる形でぶちこんだ、この勇気がすばらしい。

人間てさみしい、生きるのはひとりぼっち、という、超受け入れにくい事実をいったん飲み込むところからスタートするのが、結局近道になる。だからこそ、ひとりじゃ生きられないの意味が深まる。わたしも過去「人間は誰しもひとり乗り飛行機に乗っていて、どんなに愛する人とも同じ飛行機には乗れないし、並走することはできても命がかかる時に助けることはできない、それぞれが最善を尽くすのみ」と気づいた瞬間があった、そこから少しは強くなったのかな。学生時代は倫理なんて役に立たないと思ってたけど青かったな。何が役に立つかなんか、その時々ではわからないもんだ。